かぼちゃ 生産者紹介

▼「手作り酵素は人の身体にもいいんだよ」と下地さんはゴクゴク。

孤独な日々の果てに見えてきた道

ずば抜けた観察眼を武器にして

幼い頃から植物が好きで仕方なかったという下地さん。農業高校卒業後、石垣島で造園業を営み、植物を見守る生活を送ってきました。家の事情で故郷・伊良部へ戻ることになり、目を向けた農業の世界でも、大きな助けとなったのが長年培った植物への鋭い観察眼。「かぼちゃ畑に泊まり込んで一晩中見ていると、花が朝4時頃開き始め、5時頃にはもう目に見えて動き出して、午後1時頃ぴたっと止まる。そんな植物の成長を観察することが何よりも好き。地中で根っこがどれくらい伸びているとか、翌日はツルが何センチ伸びるとか、予想すると今は9割近く当てるな。」かぼちゃの成長を身体で覚えるのが大きな喜びです。

かぼちゃのスタートは孤立無援

今では順風満帆の「さしば」ですが、その出発は思いのほか苦しいものでした。「この島では化学肥料や農薬をばんばん使う農業がほとんど。しかもメンバーは65歳以上の人が多いから、納得してもらうのに難儀したよ。最初はメンバーの間でもケンカが絶えず、周りからは『なぜ?』という形で見られて、『あんなので出来るのかな』って遠くから声が聞こえてきたこともあったな。」皆がすぐ顔見知りになる人口7000人の島で、理解を得られない孤独感と戦いながら、石の上にも3年。やがて追い風が吹いてきます。不作や全滅ということが珍しくない中、酵素を活用した下地さんのかぼちゃが他とは明らかに違っているのを見て、取り組みを認めてくれる人が一人、また一人と増えて行きました。

常識に縛られず、思いついたらまず実験

とにかく目の前にある植物から学ぶこと。それが「さしば」のモットーです。「普通はかぼちゃは1本に一果どりだけど、若いメンバーは3・4玉取ってくるよ。そういった可能性も思いついたらすぐやる。また、去年は株間を従来より狭める実験をしたわけさ。すると日の当たり具合が変わり、脇芽を取る必要がなくなって、結果的に作業日数が減り、収穫量が上がる。みんな株間を狭めて葉っぱを大きく仕上げたら葉がかぶさってしまうとしか言わないけど、植物というのは絶対そうじゃない。どんなにかさばっていても二重にはならない。」
無駄な仕事はばっさり省き、勝負を賭けるポイントに力を集中させて、作業効率を上げる。そんな大胆さがかぼちゃの品質と収穫量を押し上げて来ました。

また、酵素に使う海水は大潮の時に集めるなど月のサイクルや地球の引力にも着目し、栽培のヒントが自然界のどこに眠っているか、絶えず目を光らせています。

手作り酵素
月の満ち欠けや潮の満ち引きも栽培のヒントになる