パイナップル 生果用パインに生き残りを賭ける男二人の大冒険

ゼロからのスタートはてんやわんや

夏目

思い出すと懐かしいな。「あとまだ何玉売れてない」となると最後はうちの子の通う保育園に持って行って、「ちょっとちょっとパイン買わへん。パインあるよー」って(笑)

平安名

ほんとゼロからスタートしてるから最初は特に大変だったな。昔は何千玉というパインを一つずつはかりに載せて、毎日午前様だった。それが選果機入れてものすごい変わったな!こんなに楽なんて、壊れたとき考えられないさ(笑)送り状も手書きだったのがパソコンが入って、今はもう真南風がインターネットでデータ流せばこっちで印字できる。

池村

年を重ねるごとにパインの生産者グループの結束も固くなってきた。美味しい加工用パインを作るおじいにうちのグループに入って欲しくて、「これからは生果用パインの時代だよ。おじいのパインは上等で美味しいから、他のパインと一緒くたに売られてしまったらもったいないよ」って5年がかりで口説き落とした。真南風がなかったらそれも出来なかったな。

食べる人の口に入るまで、全ての場面で真剣勝負

平安名

農家の気持ち。集荷場の対応。売り先に対する真南風の対応。消費者の気持まで全部一つの線に持って行こうとするから僕らの仕事はすごい大変。もちろん最後は消費者の気持ちになって、農薬が少なくて、美味しくて、来年また欲しくなる。そういうものを作らんといかん。だからこのパインの生産に関わってる人はみんな大変なわけさ。

夏目

いろんなことがあったけど、10年以上やり通す中で販売量は2倍になり、生産者も安心して作れる。私達も注文が安定してもらえる。苦難の年月を重ねた成果やね。


真南風があったから俺たちが成長できた

平安名

今うちの組合はこれ以上は畑もない、収穫もできないというところまで来てる。真南風があったから俺達が成長できた。それがなかったら今の自分もいないし、農業に意欲もわかないさ。

夏目

ピークが来るとこっちも売るのに苦しむけど、その壁を乗り越えた時に来年につながる新しいお客様がついてくれるもんね。
取引先のバイヤーさんもパイン畑は見たことがないから、案内するとびっくりして、大変だということがわかる。で、二人に会わせると迫力に押される(笑)。そしてやっぱり協力しなくちゃって気持ちになってくれはるもん。

平安名

パインの仕事はきつくて嫌なんだけどやりがいがあるなあと。やって終った時の満足感はマラソンと一緒で、俺は好きだなあって。そういう必死さが来てくれた人には伝わるのかも。西表まで行くと「こんなに遠いところからパインが来てるか」って思うもんな。

パインへの語り尽くせぬ想いが次々溢れ、対談はこの後、深夜まで続きました。
熱い情熱とともに皆様の元へお届けする八重山パイナップル。
これからの展開にどうぞご期待ください。