パイナップル 生果用パインに生き残りを賭ける男二人の大冒険


八重山パインの美味しさの裏には、収穫のピーク時期を予測することが極めて難しいという流通泣かせの一面があります。その壁を越えて、パインを早く的確に卸せるよう、阿吽(あうん)の呼吸で歩んできた生産者と真南風。同志である三人が、普段は口に出さないパインへの思いを語り合いました。

一日の収穫数が300玉になるか3000玉になるか当日までわからないのがパインの難しいところ

平安名

天候に大きく左右されて、寒暖の差や暖冬や日照不足でその後の成長が大きく変わって来るのがパインの難しいところ。計算はするけど当日になるまで収穫数がわからない。雨が降って収穫できるパインがなくなったと言ってたら翌日その翌日と全部の畑で一緒くたに収穫時期に入る。今日は300玉だったのが明日は3000.4000玉とか、それくらい変わって来てしまう。

池村

しかも熟度を上げて待ったなしで収穫して、その日のうちに出荷作業を終えないといけないのがパイン。どんなにいいパインでも収穫時期がいちばんものを言うからな。早く出荷したいけど西表島から出荷するには船しか輸送手段がない。西表は離島のさらに離島だから難しい面はあるな。

パイナップルの旅

全国への広い販路がないと扱えないパインの流通は大変な仕事な訳さ

夏目

いくつ出てくるか予測のつかない状況で100玉でも1000玉でも「まだかまだか早く持ってこい!」って真南風で引取って全国の売り先に営業をかけて。

平安名

これができるところじゃないとパインは扱えない。大変な仕事な訳さ。

夏目

今日は何玉出てくるか、毎朝あけてびっくりお楽しみ(苦笑)そりゃもうパインが始まるカウントダウンのときはもう胃が痛くなるよ(笑)毎年パインの担当者は毎年事務所で寝泊りしてた。出荷する船や飛行機の時間が迫っているのに真南風から注文が来ないと出荷作業が滞る。でもギリギリまで営業かけないと真南風は売り切れない。スムーズに段取りできるよう大分考えてきたもんなあ。

パインのニーズ・データを徹底分析 毎年の反省会を来年につなげる

平安名

少しずつではあるけど、スタートの時より出荷数が読めるようになってきてるな。

夏目

生産者と真南風で毎年反省会をして、出荷データと問題点を共有して、翌年の作柄はどうなりそうか、収穫のピークはいつ頃になりそうか、販売計画を練ってきたもんね。玉サイズにも気を配って、Sばかり注文があるところにMやLのパインが突然大量に出て出荷が滞らないように、売り先のニーズを細かくリサーチしたのが役立ってるよ。