トマト 生産者紹介

クセのある赤土もなんのその自家製堆肥で畑を肥やす

荒々しさと繊細さと

識名さんが取り組むのは、作物そのものが持つ生命力を大切にした、栽培期間中農薬・化学肥料不使用のトマト。その環境はとにかく野性的です。照りつける太陽の下、堆肥作りのための魚の頭が転がり、そこにやってくるハエもとびきり元気なその様子は一見無秩序にも思えますが、なんのなんの。識名さんの頭の中では、それらが一つの宇宙として、まとまりを持って存在しているのです。

堆肥の仕込みは職人感覚

「トマト自身には手を入れないけれど、うんと豊かな環境を用意してあげる。そのための肥料作りは魚のアラや草木を使って独自の方法で取り組んでいるよ。」この場所は本土とはまるで違う赤土土壌。そこでどう土を肥やすか、識名さんが長年考え、作り上げて来た巨大な堆肥場は森かと見まがう大迫力です。

本来、堆肥は味噌のように材料の配分率にも気を配り、発酵させるのが一般的。そんな中、識名さんは直感を頼りに目分量とは思えぬ的確さで原料を采配します。市販のものに頼らず自家製の堆肥で効果を上げるのは難しいものですが、識名さんの堆肥の仕上がりには近所の農家も太鼓判。あちこちから「堆肥を分けて」とお声がかかるほど。手作りの酵素・液肥とともにトマトの元気を支えています。

トマトのために風をも操る

畑の周りでは、大樹が風を受け、葉を揺らせています。これも実は、トマトが育ちやすい風の流れを作るために識名さんが一から育てたもの。壮大なスケールを誇る識名さんの畑には、有機農業の先端の人々からも熱い視線が向けられています。

周囲の緑に飲み込まれそうな巨大堆肥場
堆肥の原料となる魚の頭
堆肥の原料となる魚の頭。暑さのため、急速に分解が進む。
手作り酵素
自作の手作り酵素も天然素材100%
生い茂る緑のトンネルを抜けて畑へ